ファーストサービスはアウトする気持ちで打ってみよう

新井さんのサービス。ダイナミックなフォームですが、ネットにかけることも多いのです。皆さんも、サービスの調子が悪いとき、ネットが多いか、オーバーが多いかを観察してみて下さい。そうすれば、新井さんのようにネットする場面がほとんどだということがわかると思います

 

新井さんの敗因はダブルフォールトだと述べました。しかし、ダブルフォールトが全くなかった4回目のサービスゲームでは、40−15からサービスエースで簡単にゲームをモノにしているのです。このように、新井さんの“一人相撲”、特にサービスが全てであったと言っても過言ではありません。サービスゲームで、1ゲームあたり2つのダブルフォールトを犯している現実を自覚して下さい。
 なぜ、これほどダブルフォールトが出るのでしょうか。それは、1球目も2球目もフラットで、2球目はスイングスピードを落として入れようとしているためです。その代表的なフォームが写真8〜写真14です。ダイナミックなフォームで入れば威力のあるサービスなのですが、2球目もフラットなので確率が悪いのです。しかも、2球目は入れることに汲々となり、スイングも中途半端です。
 この問題を解決するには、長期的には、セカンドをトップスピン系に変えるのが良いでしょう。しかし、これには時間を要し、間近の試合には間に合いません。少しでも改善して、次の試合に勝ちたいというのが新井さんの本心でしょう。そのためには、「ファーストサービスをオーバーに打て」と私は、忠告したいと思います。というのは、ファーストがネット、そして、セカンドもネットというパターンが圧倒的に多いからです。精神的に緊張したり、疲れてくると、筋肉が硬くなるため、ネットが増えてしまうのです。1球目がオーバーでフォールトである場合には、2球目は同じリズムでもう少しスナップを効かせば入れることができますが、1球目がネットだと、スナップをゆるめてオーバーに打つのは難しく、力を抜いて中途半端なスイングで墓穴を掘ることになりがちなのです。

   
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