STEP1  ボレーに適したグリップを簡単な方法で身につける

 まずコンチネンタルグリップを正確に握ることから始めましょう。下の図1をご覧くだ さい。両足を肩幅程度に開き、ネットを向いて立ちます。そして、ラケット面をコートに 対して垂直にしてネットの上に置きます。この後、左手でネックのところを下から支え、 身体の中心線(おヘソの前)の位置に固定します。最後に、右手の親指と人さし指の間で 、ヘッド部をはさみ、手をそのままグリップのところまでずらします。これで完成です。 親指と人さし指の間にできる「V」が、図2のように、左ビベルとトップの境界線上に来 るはずです。グリップができたら、ネットを軽く叩きラケットで釘を打つ感じになればO Kです。続いてフォアとバックのボレーをするように、右手を左右に動かすと、ラケット 面は自然にオープンになるはずです。  今度は、ベースライン上に立ち、浅いボールを打ってネットにつめるイメージで、ストロークとボレーの動作をセットで繰り返します。ボレーに備えて、スプリットステップを 踏んだ時のグリップをチェックしましょう。「V」が境界線上に定まるようになるまで続けてください。

コンチネンタルグリップを正確に握ることから始めよう

ラケット面をコートに対して垂直にしてネットの上に置き、左手でネックのところを下から支え、身体の中心線の位置に固定します。次に、右手の親指と人さし指の間で、ヘッド部をはさみ、手をそのままグリップのところまでずらします。これで完成です。親指と人さし指の間にできる「V」が、図2のように、左ビベルとトップの境界線上に来るはずです

 

STEP@ 異なる距離にターゲットを置いてボレーを打つ

 コンチネンタルグリップを覚えたら、今度は、フォロースルーの長さで距離を調節でき ることをドリルで実感しましょう。
 下の図のように、ネットとサービスラインの中間に立ち、ボレーする側のコートにターゲットを右側に3個、左側に3個それぞれ置きます。次に、ターゲット側にいる仲間あるいはコーチに球出し(同で速さのボールで良いでしょう)してもらい、ターゲットの1、2、3を狙ってフォアハンドボレーをし、次に、4、5、6を狙ってバックハンドボレーをしてください(右利きの場合)。
 今までの田中さんのグリップでは、1にボレーするのが難しいはずです。しかし、コンチネンタルグリップでは容易で、フォロースルーの長さを変える感じでボレーすれば、距離の調節が容易であることが、おわかりいただけると思います。

フォロースルーの長さでボレーの距離を調節できることを知る

 コンチネンタルグリップにすれば自然とラケット面はオープンになります。そのグリップでターゲットにボレーしてください。3球セットでボールを出してもらい、1球目を1に、2球目を2に、3球目を3という具合に、ターゲットの近くにコントロールする練習をしてください。連続して5セットできようになるまで練習しましょう

 

STEP3 異なる高さのボールを出してもらってボレーを打つ

 ドリル2と同じように立ち、今度はボールの高さを低・中・高と3球ずつ変えて出してもらい、すべてのボールを3か6の位置を狙ってボレーしてください。
 低いボールほど、ラケット面をさらに少しひらいて“微調整”することを覚えて欲しいのです。フォアもバックもできるようになったら、最後にフォア→バック→フォア→バックと交互に、そして高さも変えたボールを出してもらい、3または6の近くに連続して10球コントロールできるようになるまで練習してください。  これがこなせるようになる頃には、最初にあったグリップを変えた違和感はなくなり、コンチネンタルグリップが身についているはずです。
 これらのドリルを通じて注意して欲しいことは、ボレーした後はラケット面がボールのショックで変わるだけでなく、元の厚いグリップに戻りやすいということです。ボレーするごとに、左手でラケットを支え、レディポジションの時にグリップをチェックしながらドリルを進めましょう。動きと身体のバランスの良い田中さんのことですから、容易に見違えるようなボレーができることと思います。頑張ってください!
ドクターからひとこと!
グリップを直すには時間はかかるけれど、諦めずに練習に取り組もう

 今回はボレーを取り上げました。
 田中さんのお悩みの原因はグリップが厚かったためで、そのためにコンチネンタルグリップに変えることをお勧めしました。
 なぜボレーを打つ時はコンチンネンタクルグリップにするべきなのか。順序立ててまとめましょう。

1.ボレーは方向と深さをコントロールすることが大切。

2.ボールをコントロールするためには、アンダースピンが鉄則。

3.ボールにアンダースピンをかけるには、ラケット面がオープンにする必要があり、グリップをコンチネンタルにすれば自然にラケット面がオープンになる。

4.また、ボレーは時間的余裕がないため、グリップを変化させて対処するには限界がある。その点、コンチネンタルグリップは握り変えなくてもフォアもバックもラケット面がオープンになる。

 この結果、ボールをネットにかけるボレーから相手コートにしっかり入るボレーに変わりますし、深さと方向もコントロールできるようになります。
 ただし、グリップは、一度握り慣れると変えるのに時間がかかります。
 そこで、ドリルではくどいほどにチェックをお願いしています。あなたも厚いグリップからコンチネンタルに変える時は、1球1球打つごとにグリップをチェックしてください。確かに、時間はかかると思いますが、メリットを考えた場合、勇気を持ってコンチネンタルグリップに変えるべきなのです。マスターした時、あなたはボレーの名手に変身しています。

 


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