右ヒジが開いてスイングすると円運動になり厚く当たらない

 では、木村さんにとって一番の問題は何なのでしょうか。
 問題は、ずばりバックスイングにあります。左手でボールを指しながらタイミングをはかっている写真5の時点でのラケット面が問題なのです。トッププロの写真と比較して下さい。
 木村さんの写真1〜写真4のバックスイングの動作は、サービスと同じであり、いったんヒジを下げてから上げるのに対して、トッププロは下の3コマ目の写真のように、ヒジの高さを保ったまま、後方に引いています。  木村さんの場合には、左肩よりさらに外側にラケットがあり、完全にラケット面が見えています(写真5)。
 このようにすると、右ヒジはどのようになるでしょうか。皆さんも、ラケットを握って木村さんの真似をしてみて下さい。どうです。右ヒジが完全に開き、両肩を結ぶ線より後方になることがわかるはずです。この状態からフォワードスイングを始めると、ラケットを真っ直ぐ前方にストレートに振り抜くことはできず、ラケットは円運動をせざるを得なくなります。このため、ラケットでボールを捕らえる時に、フラットに当たらず、スライス気味に当たることになってしまうのが、木村さんのスマッシュの動作なのです。
 では、さっそくその矯正にかかりましょう。

ヒジを下げてから上げるためにスイングが円運動になる

 木村さんはヒジを下げてから上げるため、右ヒジが完全に開き、両肩を結ぶ線より後方になります。これでは、ラケットを真っ直ぐ前方に振り抜くことができず、スイングは円運動になってしまいます。その結果、フラットにボールが当たらずスライス回転になります


ひじの高さを保ったままバックスイングするプロ

ヒジの高さを保ったまま、後方に引く杉山愛プロ。ラケットを持つ腕のヒジが両肩を結ぶ線より前方に来るため、ラケットを真っ直ぐに前方に振り抜き前方で捕らえられるのです

 

  
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