第6章

試合中の行動

1.試合に呼び出されたとき

初対面のときは,お互いに自己紹介をしましょう。
競技進行係から試合ボールを受け取り,指定されたコートへ行きます。

2.試合ではルールに従うこと

ウォームアップは5分を超えないのがルールで,大人の試合では5分ですが,ジュニアの試合では普通3分です。
サーブの練習もウォームアップの間にやり,第1ゲームの前にやるようなことをしてはいけません。
コートサイドやサーブの選択は,ラケットのトスにより決定し,これはウォームアップの前にやるべきです。もし,あなたがトスに勝ってコートサイドを選んだ場合には,相手は,サーブを最初にやるかどうか選ぶことになります。

3.スコアを正しくコールすること

アンパイアなしで試合をする時(セルフジャッジ)には,サーバーは各ポイントごとにスコアをはっきり相手に聞えるように大きくコールすべきです。このことにより,スコアを忘れるのを防ぐことができます。スコアに同意できないときには,そのゲームの各ポイントを再確認するよう最大の努力をしなければなりません。もし,まだ疑問が残る場合に解決する1つの方法は,15オール,30オール,デュースのうち,スコアに最も近いものを選ぶことです。それでも解決できない場合は,ラケットのトスで決めるのもやむをえません。プレイのやり直しをしてはいけません。
あまりにしばしばスコアに同意できない場合には,アンパイアを送ってくれるようにレフリーに言いなさい。

4.イン,アウトをできるだけ正確にコールすること

セルフジャッジの試合では,あなたのコートのすべてのボールのアウト,またはインのコールはあなたの責任です。地面に落下するときに集中して,ボールをよく見るようにします。
疑わしいときには相手にポイントを与えなさい。“私にははっきりわからない”と無責任な態度をとってはいけません。あなたの決定は正しいか誤りかのどちらかですが,あなたが誤りを犯すとすれば,アウトにもかかわらずインとした場合です。あなたが相手のボールをアウトであると十分見ることができない場合には,それはインであるとみなすことがルールなのです。
他人(観衆や親)を見て,ラインのコールを助けてもらってはいけません。
また,ボールが明らかにアウトだと思っても,ボールがバウンドする前にボールに触れると相手のポイントになります。

5.時間かせぎをしないこと

試合を絶え間なく進行させることは,プレイヤーが守らなければならない基本的ルールです。
長すぎるウォームアップや,ゲームおよびポイントの間のあまりにも長すぎる間合いや休止など,ゲームの意図的な遅延はいかなるものでもルールに反し,トーナメントを開催している人たちや相手に対してもフェアでないことになります。エンドの交代の時間は1分30秒,ポイントとポイントの間は25秒をこえてはいけません。
もし,相手が絶えず試合を遅らせるような行為をする場合には,レフリーに言いなさい。必要ならアンパイアをつけるでしょう。トーナメントによっては第2,第3セットの間に休憩時間が設けられる場合がありますが,休憩は10分を越えてはいけません。
水を飲むためや,その他いかなる理由にせよ,突発的事故でレフリーが認めた場合以外はコートを離れることは許されません。多くのプレイヤーは,コートサイドを変わるときに飲めるように各自飲物をベンチに用意しているものです。もしバンデージや救急品が必要になったときは,だれかに持って来てくれるように頼みましょう。

6.コーチ

日本テニス協会のルールは,“プレイヤーは試合中何人からも,いかなる方法においてもアドバイスを受けてはならないし,何人も,プレイヤーにアドバイスをしてはならない(対抗戦は除く)”と述べています。試合の相手以外のいかなる人とも,プレイヤーは意志の疎通をしてはならず,コーチを受けてはならないのがルールです。もし観衆がプレイヤーにサインを送っている場合,またはプレイヤーに近すぎる場所にいる場合でも,これらはルールに違反しているとみなされます。
試合の進行中にコーチすることがプレイヤーの利益につながるかどうかは,疑問でさえあります。
コーチにとってプレイヤーを手助けする最上の方法は,ノートをとり,試合の終った後にプレイヤーとノートの復習をすることです。
コーチングをしていることがわかった場合には,いかなる人と言えどもレフリーの判断でプレイヤーの見えない場所へ移動するよう要求されるでしょう。
親たちは違反者になりやすいものです。親がトーナメントに来ている場合には,試合の間中,あなたのまわりをうろつかないように言っておきましょう。
試合の間に相手の親の妨害が続く場合には,プレイをストップし,事実をレフリーに報告することはさしつかえありません。

7.フットフォールト

フットフォールトは,ボールがサーブされる前にどちらかの足がベースライン,またはコート内や反対サイドの区域に触れることにより成立します。
アンパイア,またはラインズマンがいる場合には,どんなフットフォールトもコールされますが,アンパイアのいない場合には,自分がフットフォールトをしていないことを確める責任はあなた自身にあります。日ごろからコーチや友人に見てもらい,フットフォールトをしない習慣をつけることも大切です。

8.サーブのリターン

明らかにフォールトのサーブをリターンしてはいけません。ただ1つの例外は,速いサーブがラインをちょうど割ったときで,それを反射的にリターンした場合のみです。

9.相手のコールに疑問を持たないように

ボールの落下地点へ出向いて確認するような行為をしてはいけません。この行為は相手を困らせるばかりでなく,あなた自身も混乱することになるからです。相手は,相手の全能力でフェアで正しいコールをしているのですから。
もし誤ったコールが続いていると感じたときは,トーナメントレフリーに助けを求めなさい。アンパイアや,もし必要で人がいれば,ラインズマンをつけるように頼んでもよいでしょう。

10.スポーツマンシップ

ボールは相手にただちに返し,レシーブをするのにぐずぐずしないで準備し,サーブは,レシーバーが準備できていることを確かめてからしなさい。これは,思いやりのルールの基本です。
気持の安定につとめなさい。言葉に気をつけなさい。大声でわめくことがあってはいけません。
ポイントを失ったとき,ラケットをたたきつけたり,ボールを投げ出したりしてはいけないことは言うまでもありません。どんなことが起っても自分のコントロールを忘れずに,スポーツマンシップにのっとって行動しなさい。