第4章

トーナメント用語

1.シングルストーナメント

最も多いトーナメントです。名前の通りシングルスの試合で,勝者が次のラウンド(回戦)に出場していく試合形式です。シングルストーナメントの図式例を下に示します。
    

2.公式トーナメントと公認ジュニアトーナメント

公式トーナメントとは,公に認められている団体が主催するトーナメントの意味で,そのトーナメントの記録が選手選考などの正式な資料となります。関東テニス協会にとっては,日本テニス協会,全国および関東高等学校体育連盟,全国および関東中学校テニス連盟と関東テニス協会主催のトーナメントと,国際大会を指します。
ジュニアトーナメントは高校生,中学生,小学生の区分とは全く別に,18歳以下,16歳以下,14歳以下,12歳以下,10歳以下,と年齢区分されていますが,その中でそのトーナメントの記録が関東ジュニアコンピュータランキングのデータになるものを関東テニス協会の公認ジュニアトーナメントと言います。公認ジュニアトーナメントには,日本テニス協会や関東テニス協会が主催するトーナメントと,都県テニス協会やクラブなどが主催するトーナメントのうち,関東テニス協会が承認したトーナメントがあります。クラブなどが主催するトーナメントは,トーナメントディレクターが関東テニス協会に公認を申請して,関東テニス協会から正式に承認されたときに公認ジュニアトーナメントとなります。

3.ランキング

年度の終りに発表されるランキングにはジュニア,高校生,中学生,小学生のランキングがありますが,これらは,それぞれ一年間のジュニア選手権,高校選手権,中学選手権,小学生選手権などの大会の成績を基にして順位が決められます。この他に関東テニス協会ではジュニアコンピュータランキングを年間数回発表しています。これはプレイヤーがランキング年度(10月〜 9月)内に出場した公認ジュニアトーナメントにおける成績をポイントとして計算して決めます。高校,中学,小学校大会の成績は含まれません。
ランキングは過去の成績に対して与えられるものですが,これから行われるトーナメントの選手選考などの重要な資料となります。

4.シード選手

過去の記録により判断されたシード選手は,そのトーナメントにおけるトッププレイヤーのうちの1人として考えられています。
シードする理由は,トッププレイヤー同士が早い回戦で当るのを避けるためです。
普通,ジュニアトーナメントではシードするのに十分な成績の記録がある場合は少なく,実際に未知の選手が番狂わせを演ずることも少なくありません。
トーナメント委員会は,決勝に進む可能性のある人をシードします。しかし,シード選手を破る殊勲者には拍手かっさいを送るものです。

5.ドローとドローの作成方法

トーナメントの全参加者,およびその親達がドローについて正しく理解することが大切です。
エントリーの締切り後,トーナメント委員会は申込者の記録をチェックし,ランキングをチェックしてそのトーナメントの選考基準に従って出場者を選びます。その中からさらに“シード選手”をみつけ,日本テニス協会のルールによってシード選手の位置を決めます。
シード選手が書き込まれた後に残りの参加者が抽選でドローに記入されていき,ドローが作成されます。
参加者が奇数の場合,あるプレイヤーは1回戦で対戦相手がいないことになります。これをバイ(Bye)といいます。このときバイを与えられるプレイヤーは,日本テニス協会のルールによって決められます。バイのあるシングルストーナメントの例を下に示します。
    

6.コンソレーショントーナメント

全参加者により多くの試合経験を積ませることを目的として,多くのジュニアトーナメントでは敗者のためにコンソレーショントーナメントを行っています。コンソレーションにはいくつかの形式があります。1回戦の敗者にのみコンソレーションを行う場合もありますが,コートが許せばフィードインコンソレーションが行われるでしょう。これは,準々決勝の敗者まで含まれるやり方です。フィードインコンソレーションの優勝者は,ランキングではトーナメントの5位とみなされます。
コンソレーションに出るのをためらわないでください。これは,あなたにより多くのトーナメントの経験をさせてくれるばかりではなく,本戦よりさらに力の接近した相手と当る機会になるものです。コンソレーションの結果もランキング用データとして利用されるので,コンソレーションに出ないとアベレージポイントが下がることになります。

7.トーナメントレフリー,コートレフリー,アンパイア,ラインズマン

トーナメントレフリーはトーナメントの期間中,プレーに関して一切の公式な決定を下すのが任務です。起った疑問や問題は,レフリーに判断をあおぎなさい。
アンパイアのつかない(セルフジャッジの)試合では,コートレフリーがおかれます。コートレフリーは担当するコートで,トーナメントレフリーの仕事を代行します。コートレフリーでは解決できない問題は,最終的にはトーナメントレフリーが判断します。
コートレフリーの仕事は次の通りですが,注意されたりオーバールールされることのないようにしましょう。
1) 不正確な判定をオーバールールする。
選手がグッドのボールをアウト(またはフォールト)とコ ールして,それをコートレフリーにオーバールールされると失点となります。
2) コールが正しく,大きな声で,または正確なジェスチュアで なされているか監視する。
3) フットフォールトをコールする。
4) 時間の管理をする。
コートの入場時間,ウォーミングアップ時間,連続的なプレイ,その他ルール上の時間の管理をします。
5) コーチングの監視。
個人戦では,コートに入ったらコーチングを受けることはできません。選手はもちろん,コーチや父兄の方もこれを認識しておいてください。
6) 服装,用具等のチェック。
スポーツマンシップに反する行為を監視する。
アンパイアは,特定の試合に関する責任者です。アンパイアは基本的にはスコアをコールし,ラインズマンが決定を下せない場合に“疑問のある,またはクレームのついたストローク”に対して決定を下す責任者です。
ラインズマンはコートの端に座り,彼がみている特定のラインよりボールが出たとき“アウト”とコールする公式員です。
ラインズマンがつかない場合は,アンパイアがラインズマンを兼務します。