第16章
トーナメント委員会の態度


1.トーナメントの運営には正しい応対が大切

卜一ナメントに初めて参加するジュニアやその親達は.トーナメントヘの出場において何が必要であるか知らないものです。卜一ナメントヘの参加は親子双方にとってよい学習経験になります。
レフリーの対応はトーナメントのムードを決めます。柔軟で親切で,しかも一定した態度をとることがジュニア トーナメントのレフリーや補助者にとって最も大切な事です。
トーナメントの運営責任者はゲームのルールをよく知っており,どのようにシードするか,どのようにドローやバイがつくられるか,レフリー、アンパイア,ラインズマンの規則,公式記録カードのつけ方等を知らなければなりません。
多<のジュニアの親達はあなたよりルールをよ<知っているとわかった場合には,文句をつけて<るものです。
もしプレーヤーや親達がルールを破った場合には,最初の違反に対してはていねいな警告を発します。もし違反がくり返されたら親切に,しかし強固に第2回目の警告を発します。第3回目がくり返されれば適切な罰を課すべきです。寛容であるべきですが,しかし状況が手遅れになって手に負えな<なる前に処置するべきです。

2.試合の規則と倫理規定

試合ではルール(規則)とコード(倫理規定)がすべてを律するわけではありません。これらは強制力として働くだけで,これらで試合がすべてスムーズに進行できるというわけには行きません。
a) 迅速な報告
試合が終っているのに報告が遅い場合がたまにあります。
正当な理由で,しかも前もって連絡があって,レフリーが認 た場合以外は,集合時間に対してある一定時間以上遅れた者はだれでもディフォールトにするのが原則です。この時間はトーナメントレフリーにより決められますが,1分の遅刻でも認めないのが普通です。
b)ラインのコール
多くの場合準々決勝までの試合はセルフジャッジであり,プレーヤーは自分自身でラインのコールをする責任があります。
観衆や友人や親の助けをかりてはいけません。レフリーはすべてのプレーヤーに対して,もしアンパイアが必要なら自分白身で頼むように言っておくべきです。
C)ウォークオーバー
ウォークオーバーはできるだけ避けるように努力をし,最後に決定するべきです。即ち、試合の前に呼出しを数回くりかえした後に決定するべきです。
d)フットフォールト
プレーヤーにフットフォールトは反則であることを認識させなさい。アンパイアやラインズマンのみがフットフォールトを宣告でき,レフリ一や相手や,観衆は宣告することはできません。もしプレーヤーからフットフォールトのクレームが出た時は補助者を派遣しなさい。(フットフォールトはポールをサーブする前にプレーヤーがどちらかの足でベースラインやコート内,または反対サイドの区域に触れることにより成立します。
この場合,大人か十分経験のある年長の補助者を送ることが大切です。 さもないとプレーヤーは無視してしまうものです。
e)妨害
もし観衆,親またはコーチの指示やサインがコートの近<でなされたり,各ポイント毎に顔の表情で表わされたり,これらの人がコートの近くを歩いたりするなら,これは妨害です。レフリーは違反者をコート近くから離し,個人的にルールを説明するべきです。もし警告に従わないなら会場から違反者を隔離する必要があります。
f)試合の中断
“プレーヤーは試合中何人からもいかなる方法においてもアドバイスを受けてはならないし,何人もプレーヤーにアドバイスしてはならない(対抗戦は除く)”と日本テニス協会のルールに述べられています。試合の中断は最もコントロールのむずかしい問題の1つです。アンパイアは中断が考えるためなのか,単に時間をとるためだけなのか決めなければなりません。もしそうであると決めたならプレーヤーに警告し,くり返されるならトーナメント レフリーに報告し,必要な場合にはプレーヤーをディフォールトさせます。
g) 悪いマナー
もしマナーの悪い行為がくりかえされれぱレフリーを呼びなさい。
日本テニス協会のルールでは,こんな行為をコントロールする方法としてポイント罰則を使うことを認めています。理由のない遅延やスポーツマンシップに反する行為に対しては1回目に警告を発し,2回目1ポイント,3回目1ゲーム,4回目失格のペナルティーが課せられます。また試合への遅刻に関してもペナルティを課すことができます。詳しくは「コートの友」を参照して下さい。
h)けが
風やけいれんのため自然に肉体的コンディションを失う事に対しては,何も考慮されません。しかし,肉体的能力やコンディションが突発的に失われた場合にはレフリーにより考慮されます。もしプレーヤーが負傷した場合には回復のための最少時間(3分又は主催者が決めた時間で長くて5分)が与えられます。
バンデージはコートに届けられるべきで,プレーヤー白身がコートを離れることはできません。
もし負傷が続きプレーの遅延を起すなら,ほとんどの場合プレーヤーはディフォールトしなければなりません。