第15章
トーナメントの第1日

1.受付

来場したプレーヤーには最初に受付けをさせます。公認卜一ナメントでは個人登録番号を確認し,まだ登録を行っていないプレーヤーにはコートに入る前に申込み手続を完了させるようにして下さい。ハンドブック代500円を徴収。 この受付けの際に試合の時間を告げるか,掲示を出しておいて見るように告げます。
参加者を集めてディフォールトの適用,スコアの表示,使用ボールの返還やその他の注意事項の説明をするか,掲示によってこれらを徹底させることが大切です。
受付けの机に用意するものとしては申込原簿,ドロー,個人登録申込書,鉛筆,マジックインク,メモ用紙等です。

2.コートの指定

1回戦は計画順にやり,すぐコートに入れない人はコートが空きしだい入れて進めます。
ドローを管理てきる人とコートヘの使い走りができる人を確保しなさい。
試合への呼出しには大きい声が必要ですのでマイクの設備があった方が便利です。
各コートの進行状況を知り,各コートでの次の試合の予定を前もって考えておく必要があります。この場合には普通卜一ナメント進行表を用いると便利で,プレーヤーがコートに入ったら正しいコート番号の位置に記し,帰って来たら×印をつけて管理すると,どのコートが空いているかがすぐわかります。実例を下に示します。
   

3.予定をたてる事

コートがプレーヤーに割り当てられる時,コート番号と時問を書き入れて試合の進行をチェックし,プレーヤーがスコアを報告に来たら,勝者には次の試合の予定時間を知らせるか,掲示を出すようにしなさい。プレーヤーがスコアを報告する際,ボールを返却したかどうかチェックしなさい。
2〜3回戦が終った頃,出来るだけ早く,準々決勝,準決勝,決勝の正確な日時を掲示し,プレーヤー,観衆,報道関係者が知る事ができるようにしなさい。
すべての同じ回戦が終了してから次のラウンドヘ進むのが原則です。もし1つのブロックだけが進みすぎると困った事になります。
ダブルスの消化はなかなかむずかしいものですっ普通シングルスの開始日より後にダブルスは開始します。シングルスに優先権があり,プレーヤーは先にシングルスをやりたがるものです。特に決勝では,ダブルスの決勝はシングルスの決勝の後に計画するべきです。
ドローに試合の結果を記入する人は,勝者にも敗者にもわけへだてなく応対して下さい。
決勝は可能なかぎり各年令区分の決勝を同時に行うようにした方がよろしい。だれでも早く試合を終って帰りたいものです。
決勝が行われている間は,早く試合が終って空いたコートが出ても試合以外の練習等に使うのは控えた方がよろしい。決勝はトーナメントを締くくる大事な試合だからです。
天候や日没やコート状態のために試合の延期や中断をしなければならない場合が起りますが,この決断はトーナメントレフリーの絶対的判断で行います。これらの試合は中断したポイントから再開されます。

4.ボールの配給

試合の初めにボールを渡す時,プレーヤーは勝者,敗者共ボールを返却する責任のあることを確認させなさい。結果を報告に来た時にボールの返却をチェックする必要があります。ボールの出し入れにサインをさせるのも一法です。

5.監視

ジュニアの試合では,初期のラウンドはセルフジャッジが普通です。もし必要ならアンパイアを頼む権利はあります。
年長の年令区分のプレーヤーやアンパイアの経験のある大人を用意しておくこともトーナメントレフリーの仕事です。
トーナメントレフリーはコートヘの使い走りの出来る補助者を確保して,試合の進行や観衆を監視しなければなりません。
試合の妨害をレフリーに報告したり,うるさい観衆を静めたり,ごみ集めをしたりするのがこれら補助者の仕事です。
試合会場がいくつかに分かれている場合には,レフリーは各会場毎に副レフリーを任命するべきです。

6.コンソレーションの勧め

敗者に別の試合を提供するのがコンソレーションの目的です。1回戦や2回戦の敗者に限ってコンソレーション試合を提供する場合や,準々決勝の敗者まで入るフィードイン コンソレーションの形式を採用する場合もあります。これらは利用できるコート数と時間により決めるべきです。できれぱ準々決勝の敗者までが参加できるフィードイン コンソレーションが望ましい形式です。 これは全エントリー者により多<の試合のチャンスを与えることができるだけでなく,フィードイン コンソレーションの結果はランキングのデータとしても活用できるからです。16,32,64,128ドローの場合のフィードイン コンソレーションのやり方を巻末の付録につけてあります。