Tennis ONE  http://www.tennisone.com

総合評価 ☆☆☆

 


 『テニスワン』には、ボブ・ラーソンの「テニスニュースレター」や18のテニスクイズ、ジャック・ブラウディの「テニスにおける本当のスピン」、ジョン・ヤンデルの「テニス肘についてのアドバイス」といろいろな情報のページがある。レッスン欄も充実しており、テニスの理論、ストロークとメカニック、戦略、メンタルタフネス、フィットネス、楽しみ方の6つの面をすべてカバーしており、121のレッスンと7つのストロークのアニメーションが載っている。

 キム・シャンリーの「チルデン対ボロテリー」では、1920年代のスーパースターで、攻撃と防御の両方の必要性を説いた理論家のチルデンと、フロリダのコーチで、超攻撃的なやり方を説くボロテリーを比較している。一流の選手の試合では、全ポイントの70%はエラーにより決まり、ウイニングショットで決まるのは30%であることを踏まえ、チルデンは、「ボールを返球し続け、不必要な危険を犯してエラーを招くより、相手に一球でも多く打たせるべきだ」と忠告。一方、ボロテリーは今日のスーパーサーブに対しては、リターンする際に「攻撃し、ボールを打ち込んでやると自分自身に言い聞かせて、精神面を強化する」必要性を説いている。

 また、ビジュアルテニス欄では、ヤンデルがハイスピードのビデオでジョン・マッケンローのサーブを分析し、その欠点をどのようにして直したかについて書いている。その矯正のおかげで、マッケンローのサーブは速くなり、選手生命を延ばすのに役立ったことが紹介されている。

 このほかに、一見をオススメしたいインストラクションのページとしては、以前、世界的プレーヤーであったブライアン・ガロウの「ダブルスのネットプレーで成功するためにすべきこととと、してはいけないこと」というページや、ケビン・ポープの「角度のついたボールを打った後のコートカバー法」。子供がテニスを続けるようにテニスの楽しさの作り方について書いてあるベツィ・グラベットの「子供のレッスン」や、ロバート・C・ムリオの「予測しなかった事態でのラケットの反応法」などが挙げられる。

 全体的に『テニスワン』のページレイアウトはわかりにくく、過去のものと現在のものが整理されていない。イメージがすべてと言うわけではないが、レイアウトの改善が望まれる。